民俗学の可能性をひろげる
福田アジオ自選民俗学論集Ⅰ
定価:本体5,600円+税
過去に完形品があるのではなく、現在もしくは未来に完形品があるのだ──
「君のは民俗学ではない」と言われた福田アジオの方法論は、民俗学の可能性をどのようにひろげてきたのか? 柳田国男の重出立証法を否定し、個別分析法や伝承母体論を提唱してきた福田の理論構築の軌跡を、自著未収録論考や講演などからたどる。
目次
Ⅰ 民俗学の方法
1 近代生活史の可能性
2 民俗資料と民俗展示
3 生活文化と地域─村落史と民俗学─
4 民俗学が読み解く現代
5 地域で深く、世界に広く─座談会後記─
6 民俗学から見た歴史教育の未来
Ⅱ 研究課題の開拓
1 報知と伝達
2 ニソの杜の近代
3 家族の記録と記憶
4 日記・日誌が切り拓く歴史と民俗
Ⅲ ムラ研究の展開
1 日本民俗学と「ムラ」─民俗学の方法の問題として─
2 日本の村落空間と広場
3 大地が語りかけるもの─宿る大地とさえぎる大地─
4 市町村合併と伝承母体─その歴史的概観─
5 生活のムラと支配の村─近世村落の民俗学─
Ⅳ 民俗の地域差と地域性
1 村落景観の民俗的意味─東西日本論序説─
2 伝承地域と民俗の地域差─年中行事の東西日本対比─
3 生活文化にみる地域性
我が民俗学の軌跡
解説 渡部圭一
あとがき
索引→公開中
著者
福田 アジオ(ふくた・あじお)
1941年 三重県四日市市に生まれる
1963年 東京教育大学文学部史学科史学方法論専攻卒業
1971年 東京教育大学大学院文学研究科日本史学専攻修士課程修了
1977年 東京教育大学大学院文学研究科日本史学専攻博士課程満期退学
武蔵大学人文学部、国立歴史民俗博物館民俗研究部、新潟大学人文学部を経て
1998年 神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科教授
2011年 同上定年退職
現在 国立歴史民俗博物館名誉教授
主要著書
『日本村落の民俗的構造』(弘文堂、1982年)
『日本民俗学方法序説─柳田国男と民俗学─』(弘文堂、1984年)
『柳田国男の民俗学』(吉川弘文館、1992年)
『番と衆─日本社会の東と西─』(吉川弘文館、1997年)
『歴史探索の手法─岩船地蔵を追って─』(筑摩書房、2006年)
『日本の民俗学─「野」の学問の200年─』(吉川弘文館、2009年)
『現代日本の民俗学─ポスト柳田国男の50年─』(吉川弘文館、2014年)
『歴史と日本民俗学』(吉川弘文館、2016年)
『種明かししない柳田国男─日本民俗学のために─』(吉川弘文館、2023年)

