世間は広いようで狭い──野田泉光院5代目と柳田國男の出会い/板橋春夫
世間は広いようで狭い──野田泉光院5代目と柳田國男の出会い 板橋春夫(『日本民俗学の創成と確立』著者) 世の中は広いようだが、案外狭いものである。私は関東の人間であり、関西方面へ出掛ける機会は極めて少ない。大阪へ出掛け...
世間は広いようで狭い──野田泉光院5代目と柳田國男の出会い 板橋春夫(『日本民俗学の創成と確立』著者) 世の中は広いようだが、案外狭いものである。私は関東の人間であり、関西方面へ出掛ける機会は極めて少ない。大阪へ出掛け...
日本人そして在留外国人たちのなかの「あれ」 三木英(『ニューカマー宗教の現在地』編者) 初詣に出かければ、墓参りにも行く。安産祈願も、合格祈願だってする。結婚式はキリスト教式か神道式が多いし、葬式は仏教。旅先では有名社...
『同人文化の社会学』を誰に届けるのか──研究書の想定読者をめぐって 玉川博章(『「同人文化」の社会学』編者) 『同人文化の社会学』が発行された。その表紙は非常にポップというかカジュアルである。この書影からは、新書ほど手に...
素朴に考えよう 中村三春(『物語主義』著者) 本書『物語主義 太宰治・森敦・村上春樹』の巻末に、筆者の主要著作年譜を付してある。その中に、『物語の論理学 近代文芸論集』(2014年2月、翰林書房)のタイトルが見える。同...
ブラントンの灯台を巡る旅 稲生淳(『明治の海を照らす』著者) 私が生まれ育った串本町には樫野埼灯台と潮岬灯台があるが、これらの灯台は地元の人間にとっては遠足の定番コースといった存在で、特別な感情を抱いたことはなかった。...
洗濯から始まった野田泉光院と村人の交流 板橋春夫(『日本民俗学の萌芽と生成』著者) 近世の紀行文は、日本民俗学にとって大事な資料である。既に忘れられた生活が描かれるだけでなく、現代の民俗を再考する契機を与えてくれる。東...
『お祭り野郎:魚河岸の兄弟分』論 ──サブスクで振り返る1970年代の「神輿ブーム」 三隅貴史(『神輿と闘争の民俗学』著者) 本書の序章、「神輿渡御を闘争として分析する」では、本書のキーワードである「闘争」から神輿渡御...
「世の中はそういうものなのだよ」に抗う 室井康成(『政治風土のフォークロア』著者) 人生の折々には、思いがけない転機が訪れるものだ。人生100年時代といわれる現代において、その道半ばにも達していない私がそれを語るには、...
詩と音楽と現代芸術と 中村三春(『ひらがなの天使』著者) 1975年10月、高校生の私は所属していた吹奏楽部の遠征で、盛岡から山形に来ていた。私は中学から大学の教養部の頃までコルネットを吹き、その後はやめてしまったが、...
琉球建国史をめぐる最大の「謎」 吉成直樹(『琉球建国史の謎を追って』著者) 一般に広く知られている琉球国(統一王朝)が沖縄島に形成される過程は次のようなものであろう。 14世紀後半の沖縄島には、明に朝貢する山北、中山...