物語主義──太宰治・森敦・村上春樹


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物語主義
太宰治・森敦・村上春樹

中村三春 著

定価:本体3,400円+税

2024年2月24日刊
四六判上製 / 320頁
ISBN:978-4-909544-34-6


物語は自らを生成すると同時に媒介される。虚構・小説・映画を理論的に横断し、メタフィクション、語りの変異、逸脱するメタファーなど、テクストに入り込む雑音の軋みに耳を澄ませる。
芥川龍之介・太宰治・森敦・村上春樹・小川洋子らの小説やその映画化作品を主に論じる。


目次

はしがき

Ⅰ 物語と虚構の文芸学
第1章 虚構論と物語論──イーグルトンとウォルトンの虚構理論から
第2章 作者の理論・素描──加藤典洋・竹田青嗣のテクスト理論から
第3章 テクスト・断片・コンテクスト──三浦玲一のグローバル文化理論から
第4章 雑音調〈例外状態〉の文芸学──竹内敏雄の現代美学理論から

Ⅱ 小説と映画の物語
第1章 蝕まれるべき友情──小説構造から見た『白樺』派の小説
第2章 芥川龍之介のメタフィクション
第3章 太宰治におけるテクスト様式の成立──初期小説の研究
第4章 太宰治と複合的小説構造──作品集『女の決闘』
第5章 太宰治『斜陽』とチェーホフ『桜の園』──ファルスのオリジナリティ
第6章 森敦「月山」の小説と映画──〈境界〉などというものはない
第7章 物語の変容──森敦『われ逝くもののごとく』と「ハーメルンの笛吹き男」
第8章 村上春樹の小説と〈メタファー〉──『海辺のカフカ』と『騎士団長殺し』
第9章 村上春樹の小説における戦争──『ねじまき鳥クロニクル』『アフターダーク』『騎士団長殺し』と映画『ドライブ・マイ・カー』
第10章 現実性の境界事象──小川洋子『原稿零枚日記』


あとがき
初出一覧
索引→公開中
主要著作年譜


著者
中村三春(なかむら・みはる)

1958年岩手県釜石市生まれ。東北大学大学院文学研究科博士後期課程中退。博士(文学)。北海道大学大学院文学研究院教授。日本近代文学・比較文学・表象文化論専攻。著書に『〈原作〉の記号学 日本文芸の映画的次元』、『接続する文芸学 村上春樹・小川洋子・宮崎駿』、『ひらがなの天使──谷川俊太郎の現代詩』(以上、七月社)、『フィクションの機構』1・2、『新編 言葉の意志 有島武郎と芸術史的転回』、『修辞的モダニズム テクスト様式論の試み』、『〈変異する〉日本現代小説』(以上、ひつじ書房)、『係争中の主体 漱石・太宰・賢治』、『花のフラクタル 20世紀日本前衛小説研究』、『物語の論理学 近代文芸論集』(以上、翰林書房)、編著に『映画と文学 交響する想像力』(森話社)など。

書評・紹介

ほんのうらがわ(編者による刊行エッセイ)