『お祭り野郎:魚河岸の兄弟分』論──サブスクで振り返る1970年代の「神輿ブーム」/三隅貴史
『お祭り野郎:魚河岸の兄弟分』論 ──サブスクで振り返る1970年代の「神輿ブーム」 三隅貴史(『神輿と闘争の民俗学』著者) 本書の序章、「神輿渡御を闘争として分析する」では、本書のキーワードである「闘争」から神輿渡御...
『お祭り野郎:魚河岸の兄弟分』論 ──サブスクで振り返る1970年代の「神輿ブーム」 三隅貴史(『神輿と闘争の民俗学』著者) 本書の序章、「神輿渡御を闘争として分析する」では、本書のキーワードである「闘争」から神輿渡御...
「世の中はそういうものなのだよ」に抗う 室井康成(『政治風土のフォークロア』著者) 人生の折々には、思いがけない転機が訪れるものだ。人生100年時代といわれる現代において、その道半ばにも達していない私がそれを語るには、...
詩と音楽と現代芸術と 中村三春(『ひらがなの天使』著者) 1975年10月、高校生の私は所属していた吹奏楽部の遠征で、盛岡から山形に来ていた。私は中学から大学の教養部の頃までコルネットを吹き、その後はやめてしまったが、...
琉球建国史をめぐる最大の「謎」 吉成直樹(『琉球建国史の謎を追って』著者) 一般に広く知られている琉球国(統一王朝)が沖縄島に形成される過程は次のようなものであろう。 14世紀後半の沖縄島には、明に朝貢する山北、中山...
民俗学のまなざしと麦の座標 野本寛一(『麦の記憶』著者) ビール麦や、健康食品・地域興こしの素材とされるモチ麦、農協がかかわる一部の小麦栽培などを除いて、この国の風景の中から主食としての麦栽培にかかわる種々の営みや耕地に...
〈接続する文芸学〉のこと 中村三春(『接続する文芸学』著者) この本で主に取り上げた3人の作家の作品との出会いは、それぞれ出会いのタイプが異なっている。村上春樹は、初期作品からずっと発表されるたびに読んでいた。最初は、...
変わるもの、そして変わらないもの 西座理恵(『「面」と民間伝承』著者) 本書は「面」と関わる民間伝承(昔話、伝説など)について記しており、博士論文を元に執筆しました。長女の出産後に大学院を満期退学したため、学位を取得す...
「ヨソ者」の利点 桐村英一郎(『木地屋と鍛冶屋』著者) 新聞社を定年退職後、生まれ育った東京を離れ、奈良県明日香村で六年ほど暮らしたのち、三重県熊野市波田須町に移り住みました。大都会に出るのに時間がかかるけれど、それが...
電話の声による繋がり 黒田翔大(『電話と文学』著者) 私は電話で通話をする機会がそれほど多くない。スマホやケータイを使うとしても、通話ではなく、メールやインターネット検索などがほとんどである。電話は本来的に声によって繋...
昭和11年、安家の夏 岡惠介(『[増補改訂版]山棲みの生き方』著者) 私は昭和61年、筑波大学環境科学研究科の研究生をやめて北上山地の奥地山村・安家(あっか)に移り住み、岩泉町の教育委員会の仕事をしながらフィールドワー...