行商と軽便/山本志乃

行商と軽便 山本志乃(『「小さな鉄道」の記憶』プロジェクト代表) 地方へ民俗採訪に出かけると、軽便鉄道の痕跡に出会うことがしばしばある。とりわけ私が訪ね歩くのは、魚介類や農産物などを担い売る行商人の女性たちなので、そうし...

全集と詩人イメージ/名木橋忠大

全集と詩人イメージ 名木橋忠大(『立原道造 受容と継承』著者) 立原道造(1914~39)の清純なイメージの形成には、『四季』立原道造追悼号(1939・5)における諸家のエッセイが大きな影響力を持ちました。加えて全集の編...

鷗外、〈心〉をめぐる詩学/新井正人

鷗外、〈心〉をめぐる詩学 新井正人(『鷗外文学の生成と変容』著者) 日本でもっとも有名な近代小説は何か。 こう問われれば、おそらく多くの人が夏目漱石「こゝろ」(1914.4.20-8.11)を挙げることだろう。新潮文庫版...